本日4月1日からhap株式会社の第18期がスタートしました。昨年度も多くの皆様方に多大なるご指導・ご鞭撻を頂き感謝申し上げます。
昨年度は第11回技術経営・イノベーション大賞(総務省、文部科学省、経済産業省、日本経済新聞社、日刊工業新聞社後援)において弊社の「COVEROSS®︎(カバロス)のサーキュラーファッション」が「内閣総理大臣賞」を受賞頂きました。内閣総理大臣賞の受賞は私たちにとり、大変大きな大きな励みになり、あらためまして感謝申し上げます。2月13日の受賞式の映像です。
hap株式会社は創業17年、売上20億弱、従業員30名の中小アパレルベンチャー企業で、信州大学や九州大学、自治体などとの産官学連携での共同研究を進めて参りました。日本だけでなくフィンランドやアジアなどでも産官学連携を進めて参りました。
私たちには大きな夢であり目標があります。2030年の次世代のスマートウェアを開発し、スマートシティと連携し世界中の人々が健康で平和でワクワクするようなライフスタイルを妄想してます。同時に衣服の大量廃棄ゼロ、カーボンネガティブの実現を目指します。世界中の誰もが毎日着用する洋服にはテクノロジーの進化により今後、無限の可能性があります。
私たち人類はコロナウィルスや気候変動・自然災害、戦争によるエネルギー危機、世界人口増加や貧困問題、我が国における少子高齢化問題など様々な社会問題を抱えております。私たちが従事するアパレル産業も大量廃棄や人権、環境問題などを抱えており、SDGsやサステナビリティをトレンドやPRではなく本質的な解決策として次世代のために実行していくことが大きな課題です。私たちの取組みについてまとめました。
①【環境配慮快適多機能COVEROSS®︎(カバロス)とは?】
弊社の登録商標である「COVEROSS®︎」は機能薬剤、機能素材、機能ウェアの商標でもあり「テクノロジー」の名称でもあります。独自のCOVEROSS®レイヤーテクノロジーにより布地だけでなく、壁や紙などさまざまな素材にも付与できます。
2013年から本格的な開発を始め現在は天然繊維や化学繊維など様々な素材や製品(新品、古着)などに30以上の機能を後加工で複合的にカスタマイズ付与、除去できる技術です。

例えば、コロナによる外から身を守る抗菌や抗ウィルス機能は社会の中で標準化され、弊社でも独自の光触媒技術を開発し、抗菌や抗ウィルス、消臭、UVカット、吸水拡散、汗ジミ軽減など最大12程度の快適多機能性を素材や製品(新品・古着など)へ後加工で機能付与可能なCOVEROSS®︎WIZZARD(ウィザード)の需要が増えました。
一方で在宅勤務によるお家時間が増えるなど昨今は心身の内から整える免疫ケア、リラクゼーション、安眠効果などが注目を浴びてます。2019年から信州大学繊維学部(感性工学)との産学共同研究によりCOVEROSS®︎SAI(サイ)は着るだけで交感神経が優位、COVEROSS®︎B/e(ビー)は副交感神経が優位になる効果が期待でき、インナー、寝具やサウナ関連などにおいても需要も高まってます。

昨今のエネルギー危機下ではサプライチェーン全体(製造工程)の低エネルギー化が急務となり、COVEROSS®︎WIZZARDでは染色工程でボイラー不使用のコールドバッチダイを採用するなど環境配慮素材や染料、機能剤、製造工程を可能な限り環境配慮工程の構築を進めてます。
また、職場や家庭、車のエアコン設定温度を夏は高く、冬は低くしても着るだけで快適に過ごせるカーボンネガティブ機能ウェア(COVEROSS®︎COOL1.5)などを産官学連携で開発・評価し、今年からシェアリングサービスを開始します。
COVEROSS®COOL1.5の予約販売を自社サイトで数量限定で開始しました。
https://blueyec.stores.jp/items/64069aa493f61932d117f46a

②【ライフスタイル全般に融合するスマートテキスタイルとは?】
最新の導電性繊維により衣服内の温度や湿度、気流などをスマホで調整できる機能ウェア(COVEROSS®︎×HOTOPIA)の開発販売だけでなく、スマートテキスタイルとモバイルバッテリーにより食品などを温めたり調理できたり、冷蔵保存できるスマートテキスタイル(COVEROSS®︎×WILLCOOK)の開発を進めており、アウトドアや防災商品としても注目されてます。
更に、「COVEROSS®︎FOODLOSS(食品ロス削減素材)」や「COVEROSS®LOSS FLOWER(生花ロス削減素材)」の開発も進めており、生鮮食品や生花などの鮮度保持が可能な高機能素材も開発を進めてます。アウトドアや防災商品としても注目されてます。

③【次世代型ウェアはスマートシティとの融合へ】
COVEROSS®次世代型ウェアラブルウェア開発においては導電性繊維による心電図計測や様々なセンサーを衣服に内蔵することで着るだけでPHR(パーソナルヘルスレコード)を計測、解析する開発などを進めてます。将来的には自動で身体を温めたり冷やしたり、ひとりひとりの日々の健康をアシストしてくれる次世代型ウェルネススマートウェアへアップグレードしていきます。そしてスマートシティ(モビリティ、オンライン医療、スマート家電など)と連携し、PaaSサービスの開発へ進化していきます。
今後はメタバースやWeb3.0などリアルバーチャル社会の融合により、防災やエンターテイメントなどさまざまなサービス展開を検討しており、さまざまな産業とのオープンイノベーションが重要になってきてます。

④【サーキュラーファッションの実現】
残念ながらアパレル産業は石油産業の次に環境負荷が高いです。私たちはさまざまなCOVEROSS®開発をサーキュラーファッションを前提に進めていきます。
現在、私たちは世界で初めてAIを活用し九州大学などと連携しサプライチェーン全体の環境負荷や人権などの数値化・評価を進めております。5月にはCOVEROSS®WIZZARD Tシャツのサプライチェーン全体の環境負荷指数や人権などに関するESGのLCA評価をプレスリリース予定です。
また、新品・古着製品の寿命を延ばし、RFIDやブロックチェーンを活用しシェアリングサービス、廃棄服を回収、分別、再利用、修理、アップサイクル、最終的に最適なリサイクルを自動化していくサービス開発を進めて参ります。

サーキュラーファッションを普及させるためには生活者が毎日着る洋服に対する行動変容も非常に重要になります。
【スマートランドリーサービス】
最後に、COVEROSS®スマートランドリーサービスの準備を進めております。こちらは古着や新品の洋服にCOVEROSS®のさまざまな機能性をカスタマイズ付与できるランドリーサービスです。5月リリースを目指しております。特許出願中のテクノロジーにより機能付与工程時の水の使用量を90%以上削減し、薬剤使用量の削減、洗濯回数を削減できるセルフクリーニング機能や毛玉防止機能などにより洋服の寿命を伸ばし、快適に過ごせる機能性付与サービスになります。また、洗濯時に排出されるマイクロファイバー0の実現のための特許技術開発を大学などと進めております。
北欧フィンランドでも2022年11月の北欧最大のスタートアップイベント「SLUSH」にてプレスリリースしPoCが開始されました。
https://coveross.com/slush-2022/
【ビックサイトでCOVEROSS®お披露目!】
なお、4月5日(水)~7日(金)ビックサイトで開催される「サステナブルファッションEXPO」にバングラデシュの素晴らしい縫製工場のFURUSHIMA RENAISSANCE LTD様と協業し、内閣総理大臣賞を受賞した製品の一部を展示させて頂きます。バングラデシュパビリオン内の「S14-18」ブースRenaissance Designsに是非お越し下さい。下記、会場地図の右下を探して下さい。
バングラデシュではダッカ大学とデング熱、マラリア対策の共同研究も行っておりCOVEROSS®Anti-mosquiteウェアの開発も引き続き日本の専門家の先生方と進めております。
今年度が始まりました。さまざまな日本の科学技術を組み合わせるこで、業界を超えて、是非、皆様方と一緒に、次世代の健康的なライフスタイルを構築していけることを目指したいと強く思います。社会問題の解決に向け、社員一同邁進して参りますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。
hap株式会社 代表取締役 鈴木素
2023年4月1日