Sep 07, 2018

ファッションサミット香港 「サステナブルとファッション業界」パネルディスカッションに参加

~サステナブルなファッション業界を目指して~

2018年9月7日

香港でアジア最大のファッションサミットが開催されました。世界中から50名のスピーカーが集結し、ファッション業界のサステナブルな取組について2日間に渡り様々な視点で議論が繰り広げられました。日本からはオーガニックコットン協会副会長兼アバンティの渡邊社長と私の2名が、ゲストスピーカーとしてパネルディスカッションに参加させて頂き、洋服廃棄ゼロを目指す取組についてお話させて頂きました。下記に私のスピーチ内容を明記させて頂きます。


【自己紹介】

「青い空」、「青い海」、「空には満天の星」

私の大好きな故郷。 はじめまして、私は東京のhap株式会社の鈴木素です。 何故、私達が「サステナブルな活動」をするようになったのかをお話する前に簡単に自己紹介をさせて頂きます。

大学を卒業して以来18年間、私達は主にアジア10カ国で素材開発、製品デザイン、生産管理等の仕事をしてきました(日本、中国、韓国、台湾、タイ、ベトナム、インドネシア、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュ等)。今でも年間20回位アジア各国の生地工場や縫製工場を訪問してます。特にデニム製品を沢山生産してきました。

12年前にhap株式会社を設立し現在30名程度のスタッフがいます。 hapは主に日本の大手カジュアルブランド中心に、①素材開発、②製品デザインから生産管理(年間300万枚の製品)、③国産の自社ブランド「BLUEY」の展開を行ってます。 「BLUEY」は「RONHERMAN」、「Fred Segal」、「Reebok」等とコラボ展開の実績があります。

【美しい日本とファッション業界の歪み】

ご存知の通り、日本は青い海に囲まれた資源が少ない島国であり、春夏秋冬の四季のある美しい国です。また、2020年には東京五輪が開催され世界中から多くの方が訪れると思います。私は日本で育ち親切な人が多くこの国を愛しております。

しかし、ファッション業界で働くようになってから多くの疑問を抱くようになりました。日本の多くのブランドでは「スピード」や「コスト」を優先し、コスト追求型の原料調達を行い、労働環境には関心がありませんでした。日本でもファストファッションが流行し、多くの消費者は商品を購入してから数回着用したら捨てました。日本では年間40億枚洋服を供給し、新品を含む30億枚(100万トン)が廃棄されます。また、残念なことに何度も児童労働を縫製工場で目撃しました。最近の調査によると世界では1億5200万人の子供達が働いております。

2013年の1000名以上の命が奪われたバングラデシュの縫製工場ビル崩落事故
大量の洋服が廃棄される
マイクロプラスチック問題

【大手企業のサステナブルやフェアサプライチェーンへの取組】

その中で弊社の主要顧客である「earth music&ecology」(Stripe International)は3年前から全社でフェアサプライチェーン活動の取り組みを開始しました。 弊社の協力縫製工場も「品質面」と「倫理面」の監査を受け、私たちも各国の法律やルールを学ぶようになりました。日本では倫理面での工場監査システムがある企業はわずかです。私達はファッション業界の「サステナビリティ」の必要性について強く関心を持つようになりました。私達は「素材開発」や「ブランド開発」のコンセプトを正しいと思う方向性に変えることに決めました。「earth music&ecology」のデニムでは3年間サステナブル原料であるCOTTON USA素材を使用しております。

【快適多機能性生地「COVEROSS®(カバロス)」とは?】

弊社では①パフォーマンス向上(快適多機能性)、②クリーンネス(洗濯回数削減)、③ヘルスケア(免疫力向上等)機能素材開発を強化してます。 2016年から最新の日本テクノロジーを駆使した快適多機能性生地「COVEROSS®︎」をインドネシアで継続的に開発しております。私達の技術者は3年間で10000回を超えるトライ&エラーを繰り返しました。そして、今では世界で初めて「1枚の生地」に次のような最大10個程度の機能を同時に付与することが可能で、機能性のバリエーションも増えました(例えば、光触媒、空気触媒、セルフクリーニング、冷感、透け防止、汗ジミ軽減、抗菌、防臭、吸水速乾、UVカット、遠赤外線効果による疲労回復、安眠、血圧低下効果等)。また、コットン等の天然繊維への付与も可能です。私達の開発は人や環境に優しい機能素材開発に力を入れており、加工工程を減らすことで水やエネルギーを極力削減し、コストも抑えるフローを開発しております。

【サステナブルな原料を使用】

私達はCOVEROSS®︎には出来るだけサステナブルな原材料を推奨してます。そしてCOVEROSS®︎は今年アメリカのワシントンが本部の国際綿花評議会(CCI)の「What’s new in Cotton program」に「サステナブルな快適多機能素材」として日本企業としては初めて選定されました。私たちはCCIと協業し、2019年1月にフランクフルトのハイムテキスタイル、2月にパリのプルミエールビジョンにCOVEROSS®を出展予定です。サステナブルな快適多機能性生地「COVEROSS®︎」をより世界中の多くのブランドや消費者に伝えてまいります。 また、COVEROSS®の原料としてコットンUSA、ベターコットンイニシアティブ(BCI)、レンチングファイバー(テンセル、リプリーブ)等のサステナブル原料での開発を進めております。私達は主要「編立工場」と協力しOEKO-TEXの認証試験を受ける準備をしております。

ハイムテキスタイル@フランクフルト
プルミエールビジョン@パリ オーガニックコットンの浴衣

【COVEROSS®生地の普及活動】

hapは小さな会社でありますが、COVEROSS®︎の認知度を上げるため、日本のテレビ、新聞、ラジオ、雑誌、クラウドファンディング等でもPR活動を進めてます。また、日本だけでなく昨年は香港のHKDIの学生20名位と香港と東京でCOVEROSS®︎のセミナーを開催しました。そして、今年の4月に香港でCCIのイベントに参加し、香港のファッション雑誌「Inside Fashion」にも掲載頂きました。

カバロスが日経電子版に掲載「光と水で匂いや汚れを分解するテクノロジー」
テレビ東京 モーニングサテライト
TBSラジオ アフター6ジャンクション 着用するだけで血流が改善し様々な効果が期待出来るTシャツ
香港デザイン学院の学生と勉強会を開催

【BLUEY SURF CLUBへの深い想いとは?】

そして、2019年春夏からサステナブルな快適多機能生地COVEROSS®︎を使用した「BLUEY SURF CLUB(BSC)」ブランドを開始します。「BSC」は「ファッション性」や「多機能性」だけでなく「サステナブル性」を加えます。東京オリンピックではサーフィンが正式競技に決まりました。私達はいつまでも「青い空」、「青い海」を維持することが出来ると信じ「BSC」と名付けました。

私達は一人でも多くの方々に「BSC」の製品を供給するために、インドネシアで生地開発から縫製までを一貫生産します。私達は「BSC」単独ブランド展開だけでなく、他ブランド様との協業により世界の人々に「BSC」の想いを伝えていきたいと考えております。また、お客様の要望が多かったため、洋服以外のタオルやベットシーツ、帽子等の製品化も進めていきます。

青い空、青い海を永遠に。多くのブランド様とのコラボレーションが開始されます。

【ファッションサミット参加の目的】

南極の氷が溶け、香港や東京の街が水に沈むことを想像して下さい。 今年の夏は本当に暑く世界中で異常気象が発生しております。 私達は無意識に児童労働や沢山の農薬が使用されたコットンのTシャツを購入してます。 今回、私がサミットに参加する目標は私達生産者と消費者の「思考」と「行為」を一致させること(を促すこと)です。目的は「子供たちの明るい未来のため」です。 私達がこのまま「安さ早さの使い捨てファストファッション習慣」を続けると子供たちの未来や地球環境はどうなってしまうでしょうか?KPMGのアンケートにもありますが78%の消費者が環境問題等により将来の子供達や地球に対し懸念しております。

皆様は「知行合一」という言葉をご存知でしょうか?「知っていても行動が伴わないのは未完成です」。そして、無意識のうちに染みついてしまった「早さや安さの使い捨て習慣」を変えることは難しいのです。 スイスの哲学者「アミエル」の言葉「生活とは習慣の織物である」があります。心が変われば態度が変わる。態度が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。 私達は「COVEROSS®︎テクノロジー」を通し、「子供たちの明るい未来」のための効果的な活動を進めてまいります。

【COVEROSS®テクノロジーとは?】

「COVEROSS®︎テクノロジー」とは、持続可能な洋服創りを通し、明るい未来の創造を「実行」していくための技術です。 「COVEROSS®︎テクノロジー」開発は、生地の原料選定(水や農薬の使用量が少なくエコであること)、染色方法(危険薬剤の不使用、正しい汚水処理)、労働環境の整った縫製工場(児童労働や人権問題の無いフェアトレード)等でのサプライチェーン構築をひとつひとつ丁寧に行っていくことで実現出来ます。

COVEROSS®︎製品は「明確な理念(サステナビル=子供たちの未来のため)」がベースです。また、デザイン性に優れ、最新のテクノロジーによる快適な多機能性素材に優れ、品質や耐久性、ブランドイメージを確立し、適正な価格で供給してまいります。 最終的には消費者が着用した商品を廃棄する時のことを考え、可能な限り「循環型リサイクル可能な原料使用」が望ましく、また、各ブランドと協力が必要であり、何よりも消費者の協力(意識)が必要不可欠です。

私達は明るい子供達の未来の為に、「消費者」と一緒に考え行動に移していくことのお手伝いを続けて参ります。消費者ひとりひとりの「こころの変化」が明るい未来につながります。私達は「COVEROSS®テクノロジー」を通し明るい子供達の未来のための活動を一人一人が実行に移していくことを信じております。

SDGsの普及にも力を入れていきます

【参考資料】

香港・上海銀行公司が主催し、KPMGに依頼された持続可能なファッション消費に関する世界的な調査が首脳会談で開始される予定である。この調査では、香港、上海、ロンドン、ニューヨーク、東京の5,000人以上の消費者(各市場から少なくとも1,000人の回答者)が持続可能なファッションに関する意見と消費習慣を評価し、セクターが直面する課題と機会を分析した。 調査の主要な調査結果には、 – 持続可能なファッションの理解の面では、アジア市場の消費者は環境問題に焦点を当てる一方、欧米市場の消費者は環境面と社会面の両方でより全体的な視点を持っている – 市場全体の回答者の78%が環境/汚染/廃棄に関する懸念があると回答したが、調査対象の消費者のうち64%のみが持続可能なファッションを支持すると考えていた。 43%が彼らの社会がコンセプトを支持していると思っている – 市場全体の回答者の60%が、通常のファッションと同じ価格であれば持続可能なファッションを好む一方、上海の消費者の22%は持続可能なファッションのために高い価格を支払う意思がある – 64%は、持続可能性スコアまたはラベリングシステムが持続可能なファッションをある程度購入するよう促すことに同意する – 服が終わると、西側市場の消費者の半数以上が、困っている人に寄付する傾向がありますが、香港の消費者も同様の寄付文化を抱えています(41%)